夜明け前、火星とアンタレスが接近して見える
先ず、宇宙のことを考えるときは、自らが地球を離れ高い宇宙空間にいるつもりになると太陽系や恒星について理解が容易です。高い位置から太陽の周囲を惑星たちや月がそれぞれ反時計回りに公転してる状況を頭に描くことです。
今の時季、夜明け前にすでに夏の星座が見えてます。人間生活を中心に考えるとき、夏の星座は夏の午後9時頃、南を中心に見える星座たちです。しかし、時間がずれればいつでも他の季節の星座が見えます。
中でも、ギリシャ時代から「さそり座」の首に位置するアンタレスは橙色であることから、時々、接近する同じく橙色の惑星「火星」とは互いに間違いられやすく、それはあくまで地球から見ると接近して見えるということです。本当は想像もつかない遠方にあるアンタレスです。
火星は惑星であるから、太陽が通過する道(白道)をほぼ通り、アンタレスも赤緯-26°付近であることから、特に寒い時季には白道が南下し、両者は接近することがあります。たくさんある星の中で何故それが注目されるかと言えば、前述の通り、互いに個性ある橙色だからです。なお、南の空を見上げて左手を前に伸ばし、肘も伸ばして手首を右に曲げます。そのとき小指と親指の幅が赤緯ほぼ10°です。
次に、アンタレスについておさらいですが、その前にアンタレスがある「さそり座」は夏の白鳥座、わし座、冬のオリオン座、カシオペア、北斗七星などと並んで、その形がとても個性的で分かりやすいです。前述の通り、さそり座は北半球では夏によく見えます。20代に海外日本人学校教員としてインドにいたとき、海の上は空気がきれいなことからベンガル湾上で大きく睨みを利かせる「さそり座」の姿が今でも脳裏に焼き付いてます。
アンタレスとはギリシャ語で火星に似てるという意味らしいです。私は火星に対抗するという意味にとってましたが、これは間違いのようです。いずれにしても時々、接近することが2000年以上前の太古より、それどころか、ずっと大昔からこの現象は続いており、今後、何万年も未来永劫続き、人間の存在とは比較にならない宇宙の広大さ、時間の長さ、そして、両者は時々、神秘的に接近を続けるでしょう。
アンタレスについて、一般的に想像されてることは、地球からの距離は550光年、大きさは太陽の直径の720倍、明るさは太陽の8千倍から1万倍で、白道に近いことから金星など惑星に隠れて見えなくなることがあります。いずれにしても橙色で超巨大な星で、シリウス、カノープス同様、全天21ある一等星の一つです。
ところで、今年、アンタレスと火星が最も近づいたのは1月下旬から2月上旬でした。しかし、この時季はそれぞれが現在より東にあり、その位置が低く見え難かったです。それが3月中旬になり、両者は西に移動したので、現在この橙色をした二つの星は比較的近くに見えます。火星が太陽の周りを北極星側から見て反時計回りに公転することから、今後は次第に東へ移動し、二つの星はだんだん離れて行きます。
「さそり座」は黄道十二星座の一つなので占いでお馴染みです。生れた日が10月24日から11月21日頃ですが、この頃の「さそり座」は太陽の近くにあり見えません。つまり、誕生日に自分の星座は見えません。自分の星座がよく見えるのは誕生日の半年後の午前0時に南に見えます。このことは占いのどの星座についても言えます。
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