太陽の背景は「おとめ座」である秋分の日
春分の日と秋分の日とでは昼の時間の長さがほぼ同じであるのに、気温はまるで違い、群馬県でも春分の日の平均気温は10℃ほどなのに、秋分の日の平均気温は22℃ほどもあります。「暑い寒いも彼岸まで」と言っても、両者の気温差は平均12度も異なります。
これは一般的に大気の性質に因るもので「大気は温まり難く、冷め難い」からです。つまり、春分の頃は温まり難く、秋分の頃は冷め難いということです。一方、季節が逆である北半球と南半球の大気は赤道を中心として繋がっており、互いに流動し、これも影響を受けると考えられます。
これに比較し「人間の心は燃えやすく、冷めやすい」のは私が青春時代を振り返っても思い出すことです。このことはさておき、今回は天文学的に「秋分の日とはどういう日であるか」改めて捉えたいと思います。
地球は約9億5千万Kmの距離を持つやや楕円形の公転軌道上を365日と4分の1日ほどの時間をかけ、北極星側から見て、反時計回りに周回してます。このため、中心にある太陽は動かずにいても、地球から見る太陽の背景にある星座たちは西から東へ刻々と未来永劫、移動して行きます。
太陽の背景とは紀元前にバビロニア人が発見し、命名したとされる黄道十二星座です。これらの星座はほぼ等間隔に並んでおり、地球から見ると太陽の背景に来る黄道十二星座はほぼ春に三つ、夏に三つ、秋に三つ、冬に三つに配分されてます。
ところで、おさらいです。全天の経度は地表面の経度と異なり、赤経で表し、全天一周24h【hはhourの略】とし、それ以下の単位は60進法です。つまり全天を時間のように考えます。これにより、春分の日の太陽の位置を赤経0h、赤緯±0°で表します。赤緯は地表の緯度に似てますが、それぞれ天の赤道を0°とし、北半球に+を、南半球に-をつけ、天の北極、南極をそれぞれ+90°、-90°とします。
さて、秋分の日の太陽は春分の日の太陽の位置とは反対側に見えることから、その位置は赤経12h、赤緯±0°にあります。この太陽の背景の黄道十二星座は「おとめ座」です。このことは春分の日の午前0時に「おとめ座」が真南にあることで理解できます。
秋分の日の太陽は天の赤道上にあり、秋分の日の太陽の背景は「おとめ座」になりました。このまま刻々と東へ、同時に、天の赤緯の-【南】へと移動して行きます。
おとめ座には有名な1等星スピカがあり、この1等星は珍しくほぼ黄道上にあるので発見しやすく、つまり、火星や木星など惑星が通過する道にあることからも見つけやすいです。しかし、現在は太陽の近くにあり、太陽光に遮断され見えません。「おとめ座」はいわゆる春の星座です。
これら天体の現実の動きをより理解するには、「宇宙に浮いてる自分自身」を実感することから始まります。私はそれにより、比較的簡単に二十四節気などと黄道十二星座の関係が分かりやすくなりました。
地上では秋分の日は休日となり、お墓参りだ、ボタモチだ、旅行だ、お酒だと人間の多くは行動を同じにしてます。しかし、秋分の日=the Autumnal Equinox Dayとは、春分の日=the Vernal Equinox Dayと太陽を挟んで、逆の位置に私たちの地球が浮いてることを実感し、春分の日の太陽の背景は「うお座」であり、秋分の日の太陽の背景は「おとめ座」であることを、しっかり頭に入れたいものです。これは毎年不変なことです。
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