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2019年1月10日 (木)

八ッ場ダム 渓谷残し 胸なで下ろす 

P1070189【完成間近な八ッ場ダム本体工事】・・・拡大してご覧ください。

 
 一年ぶりに「八ッ場ダム」工事の進捗状況を見学するため、先日愛車を走らせました。実は15年ほど前から、私は吾妻脳神経外科のK医師と親交があり、血圧管理の指導を戴いてます。この日も、二ヶ月ぶりに診察を受けることから、折角、近くまで来ており、午後に診察を受ける予約をし、診察の前に八ッ場ダムの工事現場に行きました。
 
 先ず、遠方から眺めても、稀に見る巨大なダムであることに驚きます。一般人が工事を見学する場所は二か所あり、それは北側の高台と、今回、私が見学した南側の見学広場です。しかし、こちらは志賀草津への幹線から離れることから賑わいある対岸の北側に比較し、この日、見学者は私一人でした。
 
P1070193 【対岸・北側のダム見学地】
 
 カメラは望遠でズームアップし、対岸の見学地を撮りました。しかし、対岸まで推定1㎞程あり、肉眼では人の姿が見えないほどです。一方、深さは元々、吾妻峡の上流であることから、その様相は千尋の谷です。何と言っても深い底に驚きます。故に、ダムの高さは116mあり、もし、平地でこの高さを想像してみると高崎市役所より高く、その幅は比較になりません。
 
 ダム本体の設置場所は湖水予定地より、対岸同士が比較的近くに突き出ていてもダムの堤の長さは290mです。近未来の満水時には吾妻川上流の長野原方面まで水が溜まることから、もしかして榛名湖や赤城山の大沼より広大にして長い湖になるかもしれません。こうなれば群馬県一の人造湖です。
 
P1070191【八ッ場大橋】
 
 湖水予定地には既に大きな橋が三本架かっており、現在、対岸同士は自由に往来できる状況です。湖底には以前に川原湯温泉がありました。この付近の住民は既に両岸の高台に移住し、将来を見込んで民宿をしてる家も見受けられます。ダム完成の暁には雄大な湖水を眺めつつ、宿泊するのも楽しいのではないかと頭をかすめます。
 
 前述の通り、草津へ行く幹線が通ってる北側には蕎麦屋や道の駅があって賑わっていても、宿泊するには南側の方が静寂さが佇み、実は、JR川原湯温泉駅が南側にあります。ですから、電車で行けば高崎駅から直通で1時間20分ほどで到着し、車でなくとも便利でしょう。
 
P1020245【川原湯温泉駅】
 
 私が今回のダム工事見学で、最も安心したことは有名な「吾妻渓谷」の険しく美しい流れが下流域に推定4Kmほど自然のまま現存してることです。この景観は見事であり、群馬県民で、ここを歌った「耶馬渓しのぐ吾妻峡」という「かるた」を知らない人はいません。皆、小学生時代に習います。今回、私も時を遅くしてじっくり吾妻渓谷を高所より眺めましたが、正に千尋の谷でその自然美に惹きつけられます。夏のハイキングに秋の紅葉狩りに、次回は本格的に散策したいと思います。
 
P1070185 【吾妻渓谷】
P1070184
 
 ただ、谷に転落すれば命の保証はありません。それほど深く、また、両岸は鋭く切り立った岩の連続です。谷底の水の青さに自然が織りなす紅葉や楓が覆い被さり、ダム完成後のシーズンには見学者で賑わうでしょう。
 
 ダム建設否かに半世紀以上に亘る紆余曲折があっても、住民の移転はほぼ終了し、群馬が誇る「吾妻渓谷」の残存を確認し、為政者は群馬の自然を大切に残し、国民のため計画した一大事業であることに胸をなでおろします。
 
P1070200【高さ100mほどの八ッ場大橋を通過】
 
 歴史を振り返れば、戦後間もない時期に群馬県を襲ったカスリーン台風は県民の命を592人奪い、家屋の流失・倒壊は1936戸に達し、それは河川の氾濫によるものが殆どで、中でも利根川流域に多大の爪痕を残しました。この利根川の上流河川の一つが鳥居峠を水源とする一級河川・吾妻川です。その長さは76.1㎞。
 
 それ以来、国を挙げてのダム建設は一時、民主党政権時代に計画が倒れかけても、再度、建設の機運が高まり、今や完成は目前です。
 
 八ッ場ダム建設の目的は群馬県はもとより、関東一円の人々に1、洪水調節、2、流水の正常機能の維持、3、新規都市用水の供給(水道・工業用水)、4、一万七千kwの発電です。
 

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コメント

八ッ場ダムの建設の経緯、歴史、現況、展望と才筆を振るっていますね。
長い苦悩の反対闘争のはて仕方なく妥結したダム建設工事が今行われている。ダムの完成が長年苦労された地元の皆さんに多大な発展と恩恵をもたらすよう祈っている。

投稿: アクエリアス | 2019年1月10日 (木) 11時17分

アクエイリアスさん・・・早いもので1月も10日過ぎました。一昨日、書きましたように吾妻へ行き、ついでにダムの進捗状況を見学しました。思いの外、完成に近づいてます。
確か来年完成し作動するようですが、満水にはかなりの日数がかかるでしょう。湖になれば、観光用の船も浮かぶでしょう。北側には日帰り温泉で川原湯温泉「王湯」が完成してます。
満水時には風呂に入りながら湖水が見られるでしょう。以前に私は二度ほど入りました。住民が移転したところは南北に二か所あり、きれいな家々が並んでます。私は来夏に下流域の吾妻峡を散策する予定です。

投稿: カッキー | 2019年1月10日 (木) 11時56分

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