美的感性は年齢と共に変化するか
【左はカーブド、右はストレートのソプラノサキソフォーンのネック】
20年前にセルマーのソプラノサクソフォーンGPを購入以来、音の出やすさと音色の好みにより、私は断然ストレート管の方が合ってると感じ、公的な演奏会はもちろん、パーティーや結婚式、そして葬儀などでの演奏はストレート管で行ってました。その証拠に長く使用した右のストレート管のコルクが使い古した色になっており、全く使ってない左のコルクは新品同様の色をしてます。
数日前に完成した倉賀野町の上四集会所「ふるさと」が明日26日に開所式を行ないます。
式典の中で記念にソプラノサックスを演奏することになってます。演奏が決まってから、練習を重ねてますが、練習の最初の日に試しに、今まで殆ど使ってないカーブドネックを使用したところ、どうしたことか、私が今まで抱いてた感覚と異なり、丸みを帯び、厚みがあり、暖かな音色に感じました。
吹きながら内心「えぇ~いいね」と思いつつ、低音で始まる東北震災復興支援曲「花は咲く」を練習したところ、何と私の目指す音色に近いです。
「どうしたのだろう、今まで何故これに気づかず、断然ストレート管と決めつけていたのか」私の判断に以前との違いが出てきました。この感覚の相違はもしかして年齢によるものでしょうか。最初に吹いた時の音色に対する感覚がその時は若かったことから、気持ちが聴き手にストレートに伝わると思ったのでしょうか。
【ストレート管にしたとき】
私は若き日から、日本クラシックサクソフォーンのパイオニア故・阪口新氏に師事し、レッスンは大学に入ってからも続けてました。ある日のこと氏曰く「今度、アルトのような音色のソプラノが誕生する情報を入手」とのことで、すごく嬉しそうに話されました。
確かに従来のソプラノはアルトと異なり、音色が輝かし過ぎるきらいがあり、重奏や合奏しても飛び抜ける感じがありました。氏は、もしアルトのような音色のソプラノが誕生すれば、クラシックサックス界に画期的なことと考えられたのでしよう。
それから暫くして、つまり、20年前に私はその楽器を手にしました。ところが購入当時、思った音色がでないと気付き、前述の通り、長い期間、カーブド管は使用せず、もっぱらストレートを使用してました。
ところが、今回カーブド管で練習したところ、私の目指す音色により近づいたではありませんか。あるいは夏であるので気温が暖かく、十分伸び伸びした音色が出たのかもしれません。また、私が当時の阪口先生の年齢に達したことから、今までと美的感性が変化したのかもしれません。いずれにしても明日開所する集会所「ふるさと」での演奏では今までとは違い、カーブドネックで演奏します。
https://www.youtube.com/watch?v=8djx8g8m54M
曲目は低音から出る「花は咲く」、NHK朝ドラ「なつぞら」のテーマ、「ふるさと」です。では今日も練習に頑張ります。声楽家になったつもりで音色の豊かさと温かなビブラートを心掛けます。
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