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2019年12月23日 (月)

野崎由美ソプラノリサイタルを高崎芸術劇場で聴く

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【プログラムより転載】

 冬至の22日に「野崎由美ソプラノリサイタル」を、このほど完成した高崎芸術劇場・音楽ホールに聴きに行きました。今回を入れて彼女の歌声を5回拝聴しました。いつも変らぬ表情豊かな舞台マナーに日頃の忙しい生活を忘れ、会場いっぱいに響きわたる透き通った崇高な声量に、年末のひと時を過ごせ、私は幸せな心境になりました。

 最初の挨拶で彼女曰く「最近は年齢が勝負になってるが、いつまでも歌のお姉さんでいたい。」の言葉を聞き、私の感想は13年ほど前に初めて高崎文化会館で聴いた彼女のリサイタルの頃と殆ど変らない若さを維持してます。それどころか、声楽家としてますます円熟味を増し、のびのびした発声法から感じる若さとともに声楽家としての生き方に、これからこそ彼女の本領が発揮されてる時代ではないでしょうか。

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【高崎駅東口からホールまで専用の高架歩道が設置されてる】

 今回、初めて高崎芸術劇場に行きました。しかし、困ったことがあります。これだけ大きな施設なのに専用駐車場がありません。

 現在では、都内の高級ホテルでさえ専用地下駐車場があります。ニュースによると、この芸術劇場の建設備品の入札に関わることで市幹部と業者による癒着が報じられ、逮捕者がてでいます。

 素晴らしいホールとは裏腹に自慢の建物が最先からダメージを受けてます。立場を利用した不法行為が行なわれる前に県内外から訪れる多くの観客のことを考え、これほど最新の音楽ホールですから駐車場設置を考えるべきでした。これは早急に取り組むべき市幹部の仕事です。

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【ガラス張りの高崎芸術劇場】

 ところで、リサイタルは4階・音楽ホールで行われ、ここはいわば小ホールで、2000名が入れる大ホールは、これとは別で1階です。音楽ホール内は四方が隙間のある木材に囲まれ、音を吸い込むような形態であり、音響に優れ、演奏を効果的に生かそうとする工夫が感じられます。このステージでの演奏は音楽家なら望むところでしょう。

 ソプラノ野崎由美さんの歌声は全身全霊をフルに使う発声法で、時に迫力、時に優しさを柔軟にコントロールされ、聴き手は声量に圧倒され、また、語りかけるような繊細な表現に安堵します。

 作曲家・木下牧子さんの作品は彼女にとって重要なりパートリーであり、同時にピアノ伴奏は彼女とは常によいコンビで「NHK弾き語りフォーユー」でお馴染みの小原孝さんです。今回、木下牧子さんの4曲が歌われ、中でもユーモラスな「犬が自分のしっぽを見て歌う歌」など、彼女の表現力にうってつけの一曲です。また、ピアニスト小原孝さん作曲作品も5曲が歌われました。

 最後のプログラムは今の時季に相応しく、「クリスマスコンサート2019」と銘打って、お馴染みの曲のメドレーです。鑑賞者にとって、よく知ってる曲はコラボのバックコーラス玉村混声合唱団「coroピアチェーレ」とともに、大変楽しめました。

 中でもカッチー二のアヴェマリアやイギリス民謡アメージンググレイスは野崎さん独特の「観客の心を揺さぶる表現」と共に身体全体での表現に圧倒されたのは私だけではないでしょう。名曲とは人類にとって誠に貴重で高貴に感じる宝ものです。

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 アンコールの一曲として今回のピアニスト小原さん作曲による「逢えてよかったね」を合唱団と共に観客が歌いましたが、「観客は殆ど歌えません。」

 このとき、私は感じました。日本人は音楽が好きでも、楽譜を見て新たな歌が歌えないことです。私は唖然とし、この程度のやさしい楽譜が何故皆さんすぐに歌えないのかと残念になりました。

 実はここに日本の音楽教育のマイナス点、つまり、楽譜を読む力であるソルフェージュが殆どなされてないことです。学校現場では小学校でも英語やプログラミングが正式な教科として導入され、しかも、土曜が休日であり、弱い立場にある芸術科目の時間数がますます減らされてます。

 これからの一般国民は楽譜が読めない人の増加です。また、正式な発声法となれば訓練が不可欠ですが、その時間もなく、素晴らしい声の持ち主は減ってきます。音楽は、見かけ上「ただ楽しめばよい」ということだけになります。

 全世界共通である楽譜が読めず、正式な発声ができない国民が増え、これでは先進国とは言えません。一般の日本人にとって、そんなに英語の時間やプログラミングが必要でしょうか。英語の時間を増やしても肝心な指導体制は確立されてません。

 開発途上国に比べ、経済力だけで先進国になっても人間が本当に望むことは「精神的に満ち足りた幸福」にこそ感じられるものです。令和時代は、野晒しにされてる一般国民の芸術性に本心から取り組むべき国の姿勢が問われています。

 

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