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2020年1月 9日 (木)

湖底に沈みゆく吾妻峡の樹木たち・・・八ッ場ダム

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【不動大橋から眺めた元吾妻峡】・・・拡大すると臨場感が出ます。

 本日は朝7時30分に家を出て、関越高速道路を高崎インターから渋川インターまで乗り、その後、吾妻町の吾妻脳神経外科へ向かいました。到着時刻は9時でした。受付を済ませ、患者数が多いことから待ち時間が長いと感じ、受付に「これから八ッ場ダムまで行ってきます。」と伝え、私はこのクリニックから更に15Kほど北方に位置する「八ッ場ダム」に暫くぶりに行きました。

 その後、「NHKためしてガッテン」の助言者として、お馴染みのK医師に診察してもらい、健康な生活方法について指導を受けました。

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【最初の写真と同じ位置でとった1年3ヶ月前の光景】

 ところで、「八ッ場ダム」 満水予定は2020年3月とのことでしたが、ニュースによると、昨年の台風19号の大雨により、2~3日で突然に満水になり、ダム建設関係者にとっても予想外の状況となりました。満水時の水は泥水で流木やゴミが水面に浮かび上がり、あまり見られる湖面ではなかったようです。

 私が一年程前に見学したときは、100mほど低い底に吾妻峡の細く曲がりくねった川が流れ、ダム湖ではありませんでした。このため、今回はどのような光景になってるか、水面の高さはどれほどか、水は何色かなど未だ見ぬダム湖の景色に胸を躍らせ、ダムの西側から行きました。

 3000mの長いトンネルを潜り抜けると右側に巨大なダムが見え、車から降りて、常設の広い展望台から眺めます。見学者は私一人でここは群馬の北部で高地のためかなり寒いです。

 下を覗くと、空色のきれいな水が両岸までいっぱいに貯まり、美しい水面です。その色彩は遠い上流までずっと続いてます。水量は予想したより遥かに低く、満水時の30~40%と想われます。

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 写真ではダムの巨大さがちょっと分かり難くても、ダムの堤の長さは291mと長いです。このダム本体の場所は両岸の山と山が迫っていて比較的狭いことから、ダム建設には適していることが景色全体を見て理解できます。それにしても何故このようにきれいな色彩の水になるのでしょう。このまま、満水になったら、水面も広がり、見事な景観が想像でき、春には再度、家族連れで(?)訪れたいです。 

 ところで、ダムの湖底に住んでた人たちはすでにダムの両岸の高台に移転し、新たな家を作り、きれいな住宅街になってます。西側の中には民宿を経営してる家が幾軒かあり、往年の川原湯温泉として「王湯」という名の日帰り温泉も営業しています。どちらかというと東側の地区が賑やかで、こちらには道の駅やソバ屋、レストランなどもあり、多くは県外からの観光客で賑わいを見せてます。

 ところで、湖面を見ながら、何とはなしに寂しいと感じる人は私だけではないでしょう。同様の人は特に地元の中に多くいると想像します。それは上毛かるた詠われてる「耶馬渓しのぐ吾妻峡」の姿が湖底に沈み、今が最後の往年の姿の片鱗を見せてるからです。吾妻渓谷の両岸に茂ってる巨木たちが、今正に頭だけを湖上に見せ、別れを告げてます。

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 これらのそばに曲がりくねった深い渓谷が沈んでます。多くの人がその渓谷を見学した道も沈んでます。また、旧吾妻線跡やその鉄橋もそのまま沈んでます。水面が高くなるにつれ、この樹木たちは次第に背が立たなくなり、ついには永久に日の目を見ることができなくなり、現在はその寸前です。湖底に沈めば、樹木としての生命も朽ちます。自然が織りなした今までの素晴らしい景観に別れのときです。

 しかし、実際に、吾妻渓谷はダムの下流に相当残されており、全くなくなった訳ではないので、これからも往年の「耶馬渓しのぐ吾妻峡」は残存し心配はいりません。

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【以前に不動橋から撮った吾妻渓谷】

 ところで、戦後、群馬県を襲ったカスリーン台風は関東でも1000名ほどが犠牲となり、ここ群馬県では592名が特に洪水に飲み込まれ、命を落としました。以来70年経過し、一時は鳩山内閣率いる民主党の反対で工事の中断がしばらく続き、それを乗り越えて、やっと完成にこぎつけました。

 実は、昨年秋の台風19号では、満水になったこの八ッ場ダムが、早速、その威力を発揮し、利根川の水位の上昇を食い止め、群馬県の下流域で犠牲がほとんど出なかったと伝えられます。

 世界的な気候変動時代を迎え、人類には想像できない自然災害が起こり得ます。この現実からも、ますますダムの洪水治水対策、及び電力目的は大きな役割を担ってきます。

 一方、ウォーキングが心肺機能の健康や、サルコペニア対策、そしてスムースな血液循環に良いことから、歩くことを健康法の一つとしてる私は暖かくなったり、紅葉の季節には三つの大橋経由で、ダム湖を見ながら両岸を歩きたいと思ってます。

 

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コメント

  渟膏湛碧(ていこうたんぺき) の写真を見  て 一首
 
    湛水や小さき物より沈みけり
      湖面の木霊天に叫び居り


目玉おやじさんへ・・・下久保ダムがそうであったように、今までの慣れ親しんだ家や村の建物が湖底に沈むことは全国で起きました。当人たちにとっては、故郷を追われ、身が切られる思いと感じます。
 しかし、見晴らしの良い高台への移転が終わり、今度は湖水を見れば、新たな明るい生活になります。それにしても混沌とした70年という歳月を費やして完成とは長いです。本文で書きました通り、ダムの下流位では吾妻峡はこれからも見られるので、これが唯一の素晴らしい配慮です。

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