鹿を殺傷する映像を茶の間に流した配慮のなさ
【モリアオガエルの生息地として有名な大峰湖・群馬県】
昨日7月29日、夕方6時30分よりNHK前橋放送局制作の番組「ほっとぐんま630」で流れた映像に驚いた群馬県民は多かったのではないでしょうか。
この番組は、群馬県の山岳地帯に鹿が増えて過ぎて農作物を荒らすことから駆除するもので、映像では足かせになる罠を前もって仕掛けておき、その後、現場に行くと、若い鹿が罠のワイヤーに引っかかり、挟まった1本の足が痛くてギャーギャーと苦しんでる映像に始まりました。この悲痛な声と、逃げられずに体をもがき横たわる鹿の映像に、可哀そうで私も目を覆いたいほどでした。
その後、映像はずっと悲痛な声を上げ、横たわって苦しみ続ける若い鹿の体に対し、今度はハンターが電気ショックを与え続けるものです。その間も、生身の鹿はすぐに死に切れずギャーギャーと鳴き続けています。そして、ハンターによる声が聞こえました。「心臓はここだから、ここにショックを与える」という若いハンターに対する指導者らしき人の声が聞えました。
お茶の間で夕食を囲みつつ、一家団欒のひと時に多くの小中学生たちや幼児も見ています。この大切な時間帯に、この様な残虐な映像を流す番組に、多くの県民がNHKの無神経さを感じたのではないでしょうか。
【大塩湖・・・富岡市】
鹿が増えて農作物を食い荒らすことは農家にとって死活問題であるので、駆除は仕方ないことを県民は知ってます。
ここで問題なのはテレビを通じて子供たちの前にリアルな動物殺傷の映像を流したことです。野生の鹿も、家で飼育してるかわいい愛犬も同じ命です。どんなにか辛く感じた子供もいたことでしょう。
今や、国を挙げて動物はもちろん、親の子供に対する虐待防止に努めてます。動物愛護管理法では、国民の間に広く動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深めるため、9月20日から26日を動物愛護週間と定め、虐待防止について子供のうちから教育に努めてます。
私たちは日々、豚や牛、そして、鳥の肉を食用としてることから、これらはすべて人間によって殺されたものであることも知ってます。しかし、平素から、その様子を見ていたら肉など食べられるものではありません。
弱きものに対する虐待をなくす教育の観点から、動物を殺す直接的な映像をテレビで流してはならないです。
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コメント
虎ばさみ
昨晩の「ほっとぐんま6:30」、見逃してしまいました。配慮を欠いた不快感を覚える残酷な画面が流れたようですね。虎ばさみの罠にかかり足を挟まれたシカの苦痛は半端ではありません。とどめは電気ショックですか。
小生が一番驚いたのは、禁止されていたはずの虎ばさみが例外的に食害防止という大義で使われていたことです。「虎ばさみ」は、第一次世界大戦の際には、敵軍の一斉突撃を防御する目的で、落とし穴と同時に多数の虎ばさみが用いられた。これらの罠により、多くの兵士が足に障害を伴う負傷をしたといわれています。虎ばさみは動物にとっては山中に仕掛けられた地雷です。人間も被害に遭うかもしれません。
宮沢賢治の「なめとこ山の熊」が読みたくなった。
投稿: 小十郎 | 2020年7月30日 (木) 11時51分
小十郎さんへ・・・コメントに感謝いたします。放映時間がもっとずっと遅かったり、大人のみが見ている番組であれば、仕方ないでしょうが、時間帯がうまくありませんでした。
テレビは視聴覚教材の最たるものです。テレビは娯楽であるとともに教育でもあります。
理由はどうであれ、痛くて苦しんで悲鳴を上げてる動物の心臓に、更にとどめをさす電気ショック攻撃を加える映像は、とても見られたものではありません。人間も、野生のシカも、食料がなければ、生きるためにどうにかして食物を捜すのは同じです。今回は若い鹿であったこちから一層、残酷に映りました。
投稿: カッキー | 2020年7月30日 (木) 15時01分