学校教育で取り上げたレース鳩による国際交流
今日から愛鳥週間です。今の季節は鳥類にとって次代に命をつなぐ繁殖期であるとともに、レース鳩にとっては輝かしい1000Kレースが日本中の空で行われています。特に東日本グランドナショナルレースは稚内市から関東一円までのレースであり、レース鳩飼育者にとっては夢の大レースです。また、東日本チャンピオンレースは羽幌から関東一円までの、これまた参加羽数の最も多いレースです。
私は小学4年から半世紀以上に亘り、これらのレースを夢見て飼育を続けました。記憶に残るレースでは東日本チャンピオンレースで上州地区・高崎(上州)、前橋(関北)、富岡(群西)、渋川(三国)地区で1羽帰りしたことがあります。帰還した日は小雨が降っており、朝、もしかしてと思い、念のために鳩舎に行ったら、このレースに参加した鳩が濡れた状態でいました。この鳩の血統は今では懐かしいベルギーの三ュ二イェ近親交配による子供でした。また、近年では「稚内モザイク号」がグランドナショナルで帰還し、上州地区で5位になったことです。
一方、レース鳩の掲示板を介して知り合った北海道北広島市の大橋正典鳩舎に、この「稚内モザイク号」の子供(カッキーチェ)をプレゼントしたところ、カッキーチェの子供が舞鶴~北海道間のグランドナショナルレースで総合7位になったことも誠に心に残る出来事でした。遠方のため、彼とはお会いするチャンスをがありませんでしたが、レース鳩が齎した縁で、現在でもフェイスブックを通じて毎日のように交流しています。
大橋さんとのことでは不思議なことがもう一つあり、それは前述の私の鳩「稚内モザイク号」が稚内に参加する直前の700Kレースの放鳩地が確か登別温泉付近だったと想いますが、そのとき、大橋さんは遠方からわざわざそのレースの放鳩に立ち会って下さったことです。コンテナから飛び出したたくさんの鳩の中から、私の鳩「稚内モザイク号」がどの鳩だか彼には分からなかったでしょうが、プレゼントしたカッキーチェの親(稚内モザイク号)が飛び立ったのを現実に見られているのです。
大橋さんのご熱意が実を結び、鳩は結果的に登別700Kを帰還し、その後、稚内1000Kを記録した「稚内モザイク号」の子供が、大橋さんの所へ行ったのですから、縁は不思議なものです。本当はお会いし、乾杯したいところです。
ところで、レース鳩を学校教育に結びつけたこともあります。勤務してた榛名高校では運動会の開会式で100羽ほど飛ばしら歓声が上がりました。高崎商業では愛鳥週間の日に朝のホームルームを屋上で行い、クラスの生徒たちが屋上へ行ったら、すでに籠に入った私の鳩がたくさんいたので彼らたちは驚きました。レース鳩の説明をしてから、一斉に飛ばしたら拍手が起こりました。
富岡高校ではマラソン大会の開会式で飛ばす前に、レース鳩について説明し、人間のマラソン大会では決まっているコースを走ればよいですが、レース鳩は体力だけではなく、空中を飛びながら目的地の方向を自ら判断して飛ぶことを話しました。
前橋高校では、私の鳩が群馬高崎から飛んで、日本海を渡り、万里の長城を超え、内モンゴルまで飛んで行ってしまい、私が一人でその鳩に会いに行ったことをFM群馬が取り上げて下さいました。その放送では、私が生出演し日中友好してきた言わば国際交流の実話を聞かせたところ、誠に盛り上がりました。
しかし、レース鳩を飼育していたことで最も感銘した思い出の出来事は、イギリスが世界に発行してるレース鳩月刊誌「ビクトリアル」の表紙に3回も登場できたことです。掲載をお願いしたわけではありませんが、イギリスから見て東洋人がレース鳩を飼育してること自体がニュースなのかもしれません。
実は英語の勉強を兼ねて数年間、愛読してました。有名なエリザベス女王もレース鳩を飼育されてることから、時々この月刊誌の表紙を飾られています。このため、女王様はもしかして日本で私がレース鳩を飼育してることを知ってて下さった可能性があります。
また、前述の中国内モンゴルまで私の家で生まれた鳩「中日友好号」が飛んで行ったことから、その鳩を飼育してる張さんという方から、「鳩はあなたに会いたがってます。」という手紙を戴き、これが元で、近所に住んでる中国の方に事前に中国語を教わり、一人で、内モンゴルまで1週間の旅をし、広大な内モンゴル高原に建つ移動式の家「パオ」の中で、現地の方々と強いお酒を酌み交わし、交流できたことは生涯忘れられない国際交流になりました。
この時、日本から飛んできた私の鳩についての番組が内モンゴル放送局から中国全土に流れたことを知り、その録音テープを現地で聴きました。
また、帰国後、群馬県の上毛新聞では「翼が結んだ日中友好」と題して、7回に亘り、内モンゴル旅行記を連載して下さいました。
一方、レース鳩飼育中は、日本レース鳩界での著名な高塚久雄さん、香山光男さんとも直接お会いできたり、地元群馬の競翔家の方々とも楽しく親交が持て、鳩を飼育したことで予想越えて世界が広がりました。
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