良き友は良きライバル
愛鳥週間が始まる5月10日は北海道北部に位置する羽幌から西関東チャンピオンレースが開催されます。その距離900K~1000Kで、早朝に放されるレース鳩たちは、日本海側を一路南下し、4~5時間して大きな難所である津軽海峡を自力で飛び越えなくてはなりません。このレースに当舎から4羽の鳩が参加します。
写真右から2番目の鳩BC♀は先日のグランプリで連合会3位となり、すでに900Kを2回経験し、津軽海峡を5回飛び越えてます。血統は「たぶん弟鳩舎及び村田鳩舎共同作」の孫でドイツ・トレスコー110番の血を引いてます。
そのすぐ左のB♂も900Kを1回飛んでおり、津軽海峡を3回飛び越えてます。血統は茨城・高塚鳩舎のミラクルクイーン・稚内クイーンの血を引いてます。
右端のBCW♂は先日のグランプリを悪天候3日目朝帰還し、血統は埼玉・名前のない鳩鳩舎フォルケンスと岐阜・香山鳩舎オルハンミラーの血です。津軽海峡越えを1回経験してます。左端のBCW♀は香山鳩舎ファンローン・セレクトエースで、同じくグランプリを経験し、津軽海峡越えを1回経験してます。すでにグランプリの疲れは抜けて元気に舎外してます。
羽幌から北海道の南端まで陸地を飛んで来た鳩たちは、いよいよ津軽海峡を目前にして、大きな試練が待ち構えています。それは大海原を飛び越える勇気と帰巣本能による強靭な意思、ここでこそ先祖から受け継いだ血統が蘇えり、果敢にも海越えを決行させるのです。
海峡は気流が激しく、強靭な精神力とエネルギーに満ちた体力がなくては渡り切れぬ絶体絶命の断崖に到達。遥か遠くに見える青森県の山々をめざし海上を飛び越える命がけの飛翔は、孤独の中にあって厳しいレース鳩本来の宿命でしょう。
無事に青森県に渡れば、後はいかに直線上を飛んで自鳩舎に向かうかが分速を競う鍵となり、スピードに乗ればその日の夕刻に懐かしい古巣への到着も夢ではありません。当日帰還となれば成績上位は間違いないでしょう。
極秘ですが、私は戦略として訓練は行ないません。今までのレースがすべて理想的な訓練であったと思うからです。その代わり、調整のために20分~30分程度の舎外を可能な限り朝、昼、夕方の3回行います。鳩舎内を薄暗くして落着かせ、飼い主も必要以外は出入りしません。成鳩には巣房を持たせてあります。整腸作用にレッドストーンを与えてます。
ところで、西関東チャンピオンレースは広域の東日本チャンピオンレースと同時放鳩の可能性があるので、インターネットで知りえた浅間山さん、常念の麓さん、名前のない鳩さん、ミストラルさん、ムニエルさん、ヤンアールデン愛好家さんを始めとして、多くの親しい鳩友たちとこの日は勝負することになります。
最近のコメント