「老い」をいとおしむ春・・上毛新聞「ひろば」より
今日の群馬県地方紙・上毛新聞の読者投稿欄「みんなのひろば」に、このブログのコメンテーター「時計屋の隣さん」の文章が掲載されました。誠におめでとうございます。
ついこの間も掲載され、彼がいかに日常の出来事に関して、また、人生について深く考えているか、掲載された文章を通じて分かります。
今朝、私は地区の廃品回収の仕事に参加しましたら、仲間のKさんが「時計屋の隣さん」の文章が今朝の上毛新聞に載ってますよと、彼はすでに掲載文をコピーして持ってきてくださいました。ご親切にありがとうございます。
タイトル・・・老いをいとおしむ春・・・
「老化」「老齢」という言葉には抵抗感がある。年とともに身体、認知機能が衰え、病気にかかりやすくなり、弱体老醜を思い起こさせるネガティブなイメージが付きまとうからだ。「老化」「老齢」には、全体的衰弱を自らに呼び込んでしまうような人生の行き止まりの俗臭がする。
それに比べて、「老い」という言葉には好感を抱く。縁側で日なたぼっこをしているぬくもりと安らぎ、のどかな柔らかい響きがある。「年を取る」という言い方も好きではなく、「老いる」と言いたい。「老いの一徹」のように「老い」という言葉にはパワーを感じる。「老いらく」は「老い楽」に通じ、楽しみ、安らぎ、夢に満ちている。
「生くることやうやく楽し老いの春」(富安風生)。「老の春」は、年老いて迎える春、新年の季語。老境にあって生きる喜びをうたい上げた佳句だ。その述懐には、さまざまな悩み、迷い、苦しみを経験し、乗り越えたからこその平穏を喜ぶ気持ちがある。
「老い」の中で、生きる意味や楽しみ、良さをかみしめ、老いをいとおしんでいきたい。生きている一瞬一瞬を大切に、その喜びを存分にかみしめて過ごしていこう。
ブログにコメントをくださる「時計屋の隣さん」の文章が、本日、上毛新聞の読者投稿欄「ひろば」に掲載されました。誠に喜ばしく思います。つきましては、群馬県外の方にも広くお読みいただくためブログに掲載いたしました。
タイトル・「山(さん)茶(ちゃ)」と「山茶花(さざんか)」
旧暦で、一年を72に分け5日または6日間を1候とし、気象の変化や動植物の様子を示したものが72候(しちじゅうにこう)です。
11月7日は立冬。72候の第55候の立冬・初侯には、「山茶始開」とあり、「つばきはじめてひらく」と読ませています。
72候カレンダーに添えられた説明には、山茶花が咲き始める頃。冬の初めの先駆けとして咲く山茶花は、冬の訪れを予感させてくれますとあります。
「山茶」を「つばき」と読ませているのが気になりました。「つばき」の当て字に「海石榴」、「椿」に並んで「山茶」があります。「山茶」を辞書で引くと、①山野に自生する茶樹②ツバキの別称とありました。椿の花と山茶花の花がよく似ていて混同された結果でしょうが、椿が咲き出すのはもう少し寒くなってから。白、ピンク、赤の花を咲かせる山茶花は、冬枯れの景色に色を添える貴重な存在です。
子どもの頃、喜劇役者、山茶花究(さざんか・きゅう)さんの名前を、「やまちゃばなきゅう」と勝手に読んでいました。芸名の由来は、花でなく、九九の「さざんがきゅう(3☓3=9)」にあると後で知りました。