カテゴリー「自然界の掟」の3件の記事

2015年7月31日 (金)

厳しい自然淘汰・・・「ツバメ」の一生

P1060800【今春に作られたツバメの巣】

 半年前、隣に引っ越してきた新築家屋Aさん宅の軒先に営巣し、子育てしてたツバメ一家を先日、確認したところ、すでに「もぬけの殻」の状態であり、出入りするツバメの低空飛行は親子ともども全く見られなくなりました。

 観察してた私も、予想以上に早く巣立って行った雛の逞しさとともに、姿が見えない一抹の寂しさが交差します。隣の家には保育園児の娘さんが二人いることから、とても良い日々の観察学習ができたのではないでしょうか。同時に、私が感じたように彼女たちも寂しさを感じていることでしょう。

 私の推測では、今後、庭先に低空飛行の障害となる塀などを作らなければ、来春もやってくるのではないかと期待してます。保育園児の二人にとっても、来春、「果たしてツバメが戻ってくるか」と大きな期待をしてると思います。Landsvale

 ところで、自然界に生息する多くの鳥類が樹木に営巣するのに対して、ツバメは人間の住み家の、しかも軒先に巣を作る習性があることを考えてみました。

 先史時代からと想われること。「多くの鳥類にはそれぞれ天敵」が存在します。レース鳩を半世紀以上、飼育してる私は結果的に数百羽のレース鳩を天敵の鷹や隼に空中で獲られ、一瞬にして命を落とし、これらの餌食になってます。

 現在でも、レース鳩を毎朝、外に出して運動させてますが、飼育羽数は次第に減ってきてる事実があります。原因の90%が天敵の餌食になったと考えます。

 このように動物には天敵が存在し、ツバメの雛が育ち、飛翔に馴れ、いよいよ生まれ故郷を後にして赤道付近の島々へ渡るとなると、遭遇する天敵の数は数え切れるほどであるでしょう。それに加えて台風の猛威に直面したり、あるいは避けて飛んでも、いっしょに飛んでた親子もバラバラになり、その間、雛は自ら小さな昆虫など餌を確保しながらエネルギーを蓄え、すでに数千キロ南の島へ渡りを始めていると考えられます。

515e1cb30ca8c09e926b60d6a665e661_s 子供のときからの拙い観察経験では通常、ツバメの番いは続けて2回ほど産卵し、子育てする姿が記憶に残ってます。今回の観察では一回きりの子育てでした。それが終わると途端に姿が見えなくなり、巣は全く汚れていません。「立つ鳥あとを濁さず」のとおりです。

 運命ですが、今回の子育て中に雛は巣から1羽が落下し、残った雛は3羽です。この段階で、すでに自然淘汰が行われてます。親からたくさん餌をもらって早く成長し、体力がついた雛が、弱い兄弟を巣から落とす現象です。成長し、雛たちは巣からはみ出すように成長します。このように未熟な兄弟を巣から落とす雛の行動はレース鳩にも見られ、体力のあるものだけが生き残る掟があります。

 ところで、ツバメが人家の軒先に巣を作る理由は天敵から雛を隠すため」と考えられ、雛を狙うのは主にカラスです。もちろん嗅覚の鋭いヘビも考えられます。通常、カラスは人間の近くには寄り付かないので、ツバメはそれをうまく利用し人家の軒先に巣を作る習性になったと考えられます。

P1060802  今回、私が驚いたことは、巣立ちした雛が1~2日で大空を飛翔し、その後、親子ともども姿を見せないことです。

 私たち人間の想像を超えた成長の速さであり、すでに遠い地点まで飛翔してる可能性があります。生まれて間もないのに命を狙う天敵の危機を回避し、大海原を渡り、すでに赤道近くまで南下しつつあるかもしれません。隣の二人の園児とともに来春の帰還を心待ちにします。

 また、ツバメの一生は2~3年と考えられ、育て上げた雛に未来を託し、世を去る短い生涯と考えます。この繰り返しが石器時代以前より延々と続いているのでしょう。 

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2012年4月26日 (木)

トキの野生復帰には天敵の駆除も不可欠

Photo 【最後の日本産トキ「キン」の剥製・・・Wikipediaより】

 特別天然記念物トキの卵が自然界で孵化したニュースに多くの方が感激されたことでしょう。将来の野生復帰に向け今回の孵化は大きな一歩と言えます。野生復帰は日本の悲願であり、長年にわたる関係者のご努力に敬意を表します。

 トキは江戸時代まで全国至る所に生息していたと伝えられ、明治~大正~昭和と次第に減り、佐渡島で捕獲された5羽のうち生き残っていた「キン」(写真)の死によって、日本産トキは平成15年に絶滅したことになります。

 今回、実に36年ぶりに自然界で孵化したことは将来の本格的な野生トキ復帰に大きな望みが生まれ、50年以上にわたり、レース鳩を飼育してる私はトキの自然復帰に非常に関心を持ってます。

 ところで、レース鳩の繁殖は「すべて人間の手によって雛が誕生します。」これがなければレース鳩も絶滅するでしょう。レース鳩が日本中で誕生する数は年間・数10万羽と推測され、現在、私の鳩舎内も幼稚園のように賑やかです。

 レース鳩とトキは異なっても、トキの繁殖は今後しばらくの期間、人の手助けが不可欠と考えられます。それは雛を狙うカラスや、成鳥に対する猛禽の襲撃が想像以上に激しいからです。

 タカ、ハヤブサ類は生きた肉を常食とする誠にどう猛な鳥類=birds of prey です。数の上ではそれにも増して、カラスはいろいろの雛を襲います。当然、トキの雛も狙われます。レース鳩の雛は鳩舎内で育雛されるのでその間は襲撃されることはなくても、自然界を飛翔するようになるとレース鳩の殆どは最終的に猛禽類の餌食になってると考えられます。

 D0307_l 【写真はJAXAより】

 トキは佐渡島で人工孵化=artificial incubationされ、多い時には100羽ほど飼育されてるといわれます。しかし、自然界は広大であり、近親による弊害をも考え合わせると、多くを放鳥しないと自然界での繁殖は難しいと思われます。

 年間100羽程度を放すことができれば野性化成功の確率はずっと高まるでしょう。中には本州へ渡るトキもあるといわれ、数多くを放鳥しないと自然界に存在するカラスや猛禽類の数に太刀打ちできないと考えらます。

 このように自然界では、雛はカラスに襲われ、親鳥は猛禽類に狙われることを考慮すると、残された方法は条例を改正し、佐渡島だけも猛禽類やカラス、テンなど天敵の駆除が不可欠と考えられます。生態系=ecosystemは数のバランスが崩れるとある種が絶滅する掟です。

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2008年12月16日 (火)

鷹の襲来でパニックのレース鳩たち

3047  朝7時いつもの通り、レース鳩を舎外運動に出しました。天気は快晴、体調もいいと見えて出すや否や姿は見えなくなり遠征です。レッドストーンを多めに与えてるせいか、床を見ても整腸作用はいいように感じます。これにより栄養が無駄なくエネルギーになればこれを与えてる意味があると思います。

 全日本ピジョンコンクールで1位となった経験を持つシャーリー鳩舎にヒントを得て、それ以来、レッドストーンを多めに与えています。これは栄養素というより整腸作用と考えられ、全体に調子はいいように見受けられます。飛び方にスピードが感じられ、毎回、約1時間は鳩舎上空に飛翔の姿は見えません。

 いつも帰って来ると、私はすぐに「ハウス・ハウス」を連発し鳩舎内に呼び込むのですが、余りにも天気が良く今朝は大屋根でのんびりさせてやったのが大間違いでした。

 突如、鳩たちの様子が変貌。不自然で凄い羽音とともに飛び立ち、それは隠れるために逃げるかのごとく、軒下に潜ったり、低空飛行や植木に飛び込んだり、その瞬間、上空から大きくこげ茶い色のニワトリくらいの鷹が1羽の栗の鳩を目がけ急降下、鳩舎の脇で捕まりました。

 鷹は捕まえた鳩を両足でぶら下げ、近くの空き地に運びました。私は尽かさず追いかけ近くによって大きく手叩きしましたら、鳩を掴んだまま飛立ったのです。私が接近したので鳩を吊るしたまま逃げましたが、10メートルほど飛んだら、持ち堪えられなかったのか近所の家の庭に落としてしまいました。不思議なことにその間、どこからともなく数羽のカラスが集まり、鷹の行動を見て上空からけたたましく鳴いています。おこぼれを狙ってるのでしょう。不思議な連鎖反応です。

 落ちた鳩は駄目かと思いましたが、様子を見たら運良く自力で立ってます。その表情は恐怖のどん底。すぐそばに行き掴まえてやりました。羽から血が出てます。一見したところ、身体の本体に爪が入ってた様子はありません。でも、嘴から出血しており、あるいは内臓をやられてるかもしれません。

 とりあえず一命は取り止めても、羽が重傷なのでレース鳩とし復帰はできないでしょう。

  【天災は忘れた頃にやってくる】とはこのことなのです。風はなく、あまりにも良く晴れわたり平和な朝なので、私も鷹の来襲を全く予期せず、大屋根で遊ばせていたのが大きな反省です。レース鳩の飼い方として飛翔後は、すぐ鳩舎へ入れることが正しいです。捕まった鳩に申し訳ないと思いました。

 人間の力で鷹の来襲そのものは防げません。しかし、いつものように帰舎後すぐ入舎させるべきでした。

 今回のことは広い意味で食物連鎖にあっても、毎日元気でいたレース鳩が大きな爪で捕らえられ、餌食にされる光景を目のあたりにすると、自然の掟とは言いながら、生物にとって生きていくことは至難の業で、日々命がけであることが再認識できます。

 人間だって例外でなく、先史時代からあらゆる大災害など自然の脅威に晒され、生き残った者だけが次代から次代へと命を繋げて来た結果、私たちは今、生を享受してるのです。それにしても今朝はこの世の厳しい姿を目にしました。傷ついた鳩の回復に専念してあげたい。

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