福島県・白河~群馬県・高崎間の鳩レースに向けて
昨年10月より「大間々」高台をはじめ「黒い峯遺跡」など個人訓練を6回重ねましたが、その後、連合会主催による足尾町50キロ、日光霧降高原80キロ、塩谷100キロ訓練を終えたレース鳩たちは今では換羽もすっかり仕上がり、レース鳩として逞しさが身に付いてきました。一年のうちで今が最も美しい羽を誇ってます。
飼い主の責任を示す住所環については、今まで嵌めてた仮のものを外し、これからはチップに貼ったシールがその役目を果たします。本日は全鳩を捕まえ放鳩籠に入れ、1羽1羽確認しながらチップを脚に嵌めました。
チップとは鳩の足に装着する小さな器具で、センサーが内蔵されてます。チップを装着した鳩が遠方から帰還し、鳩舎の入舎口を通過すると自然に記録器が反応し、その到着時刻を記録します。チップはほとんど目方がなく、鳩の負担になりません。
このため、レースにおいて飼い主は帰還した鳩を捕まえ、慌ててゴム輪を抜く必要がなくなり、鳩舎の外で鳩の帰りを今か今かと見ているだけでよくなりました。
鳩レースにおいても、コンピューターに頼り、趣味といえども、とても科学的で便利です。これはレース後の審査においても、以前とは雲泥の差で早く結果が出るようになりました。
これは装着前のチップです。金色のシールは私の名前や電話番号です。これを足に付け谷越え山越え、北海道からは津軽海峡を飛び越えて古巣に戻り、鳩舎に入るときセンサーが反応し帰還した時刻が記録されます。例えば、札幌を朝6時に飛び立てば、群馬高崎には午後4時前後に到着します。
鳩レースは「距離÷時間=速度」の計算で分速により序列が決まります。距離は予め資格を持った審査員により計測されてます。GPSにより鳩舎位置と放鳩位置が北緯・東経により確定すれば、後は公式(球面三角法)により数値が出ます。
例えば札幌駅の改札口から皆さんの家の玄関までの距離もメートルまで細かく計算できます。ただ、地球が丸いので、厳密には直線でなく、弧を描いた最短距離となります。また、山の高さや谷の深さなどは無視し、あくまで平野として計算されます。
ですから、実際に鳩が飛ぶのは計算上の距離より長い距離を飛んでると考えられます。それは、猛禽など危険を回避するためや、視界の開けた天気の良い場所を選んだり、高い山を迂回して来るので、計算された距離よりずっと長い距離を飛んでるでしょう。可能な限り直線の近くを飛ぶと計算上は分速が上がります。方向判定能力抜群なレース鳩は無駄なく鳩舎へまっしぐらに飛ぶと考えらます。
これは当舎で次の福島県白河140キロレースにスタンバイしてる鳩の一部です。嵐の前の静けさのごとく上位入賞を密かに狙ってるように感じるのは私だけでないでしょう。
ところで、今の時季とても寒いです。特に日の出前3時頃から6時頃にかけては窓を開けたままでは室内温度がかなり下がり、0℃以下になるでしょう。これでは鳩舎内は冷え冷えです。
このため、窓はすべて外気から遮断できる構造になりました。飛翔中は寒くても心配ありませんが、じっとしてる深夜から明け方のレース鳩にとって厳寒は予想以上に身にしみ、エネルギーが無駄に消費されると考えられます。
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