【写真はISS=International Space Station(国際宇宙ステーション)に現在滞在してる野口聡一郎さんが宇宙から撮影したアイスランド火山の噴火の様子です。】
噴煙が雲の上に出て成層圏まで達しているように見えます。
今回のアイスランド火山の噴火について、ニュースは世界の航空機が離陸できず、欧州はもとより世界中に多大の影響が出ていることを取り上げています。ジェット機は成層圏を飛ぶので火山灰がエンジン内に入るとエンジンが停止するといわれます。
日本から余りにも遠方であるアイスランドについて、この際、私はこの国について調べてみました。
アイスランドの位置は北緯63度付近より北極圏に差しかかる北緯66度付近までで西経は20度付近です。緯度としては日本の最北・北緯45度の稚内市から約18度北に位置するので、緯度の1度のおよその距離である112キロ×18度で約2000K北にあり、ここはユーラシアプレートと北米プレートがぶつかり合う所といわれます。
人口32万3千人で1944年デンマークから独立し、面積は北海道と四国を合わせた程です。9~10世紀にかけてノールウェイ人やスコットランド人が移住し始め、それ以前は無人島であったようです。
1980年世界初の女性大統領が誕生し、世界でも希少な「常備軍を持たない国」となりました。特にクリーンエネルギー発電を推進し、80%が水力、20%が地熱発電です。
【ウィキペディアより転記】
写真は地熱発電所です。日本のような火力発電所や原子力発電所は一切なしで、火山国であることを巧く利用し環境は抜群です。
火山国であるアイスランドは海洋プレートの生成が地上で見られる珍しい島で、大地の裂け目を「ギャオ」と呼び、間欠泉が多く見られ、ゲイシールの間欠泉が有名で英語のgeyserの語源となったといわれます。沿岸はフィヨルドで殆どが火山性大地に覆われ、森林面積は国土の0.3%に過ぎないといわれます。
首都は以前にサミットが開かれ有名になったReykjavicで空気がきれいな都市といわれます。ロンドンから北西に2000キロ以上も離れ、グリーンランドの東にポツンと浮いてます。言葉はアイスランド語で日本との時差は10時間程です。
北極圏に接する高緯度に位置するため、これから半年間は白夜が続き、逆に秋分から春分にかけては夜が長く、太陽は低い位置に短時間、顔を出してると推測できます。
ところで前述の通り、アイスランドは北米プレートとユーラシアプレートの境目に位置するため、先史時代より大噴火がしばしば起こり、偶然にも我が群馬県と長野県にまたがる浅間山による1783年(天明3年)の大噴火の年に、アイスランドの火山も大噴火を起こしたことが歴史的に一致します。
この時は「天明の飢饉」と呼ばれましたが、これは単に浅間山の大噴火のみが原因でなく、同時に起きたアイスランド火山の大噴火により、広く地球規模で気候変動が起こり、人命や農作物に多大の打撃を与えたと考えられます。
写真は私が5回頂上を極めた活火山・浅間山(2560m)の火口です。地球の歴史から考えれば、日本のポンペイと呼ばれる鎌原村をすべて埋め尽くした1783年の大噴火は1~2時間前のようなもの。現代も依然として危機は続いてます。
当時とは比較にならない現代文明に暮らす私たちも大噴火の前には成す術を知りません。子々孫々の未来も火山の脅威から切り離すことはできません。今回のアイスランド火山の噴煙が成層圏に広がり、冷夏に結びつかないことを祈ります。
私は群馬県に住んでいることか、活火山・浅間山と草津白根山及び元白根山は身近な山岳であり、これらには興味ある植生や豊かな自然が残されてます。
しかし、この火山群のいずれもが近未来に大噴火の危険性が潜んでおり、歴史を紐解いくと日本のポンペイと呼ばれる嬬恋村の旧・鎌原村埋没をはじめ、草津白根山ではスキーヤーが犠牲に、元白根山付近では引率教師と合宿中の女子高校生が火山性ガスを吸引し犠牲になりました。
火山に登るときは常に噴火の可能性を忘れず、火口付近以外の場所でも目に見えない火山性有毒ガスの存在があることを忘れてはなりません。
最近のコメント