カテゴリー「レース鳩の馴致」の2件の記事

2015年5月18日 (月)

日中は展望台で生活させる・・・レース鳩の馴致

P1060677 【展望台で生活する雛】Click please!

 一般的に、鳥類ではレース鳩だけが人間の作った小屋に馴れる習性を持ってます。舎外運動で1時間ほど大空を駆け巡った後に戻ったり、レースとして何百km~1000kmと考えられない遠方より鳩舎へ戻る神秘性を持ちます。

 今春、誕生した雛が失踪なく鳩舎に馴れるには、遅くても生後27日~30日に、日中はずっと展望台の中で過ごさせ、第一に鳩舎周囲の景色を覚えさせ、大空に飛翔する他の鳥類を見せたり、また、自ら餌を啄ばんだり水を飲むことを覚えさせ、親からの自立を促します。太陽光が暑い場合は日陰に入れる構造にします。

 一方、夜間は止まり木のある鳩舎内で休ませる「二面性の生活」が雛の馴致に必要でしょう。

 この時期に飼育者がしてはならないことは、可能な限り雛をつかまないことです。鳩という動物は「人間に掴まれることを嫌います。」ましてや、雛を追い掛け回すことは最も慎まなくてはなりません。

P1060688【暑さ対策として展望台から舎内に少し入れる構造が望ましい】

 こんなことから雛を掴むのは、早朝の薄暗い時間帯にして、それも飼い主は早業で掴むコツを習得しなくてはなりません。サッと掴んで展望台に入れるだけです。夕刻になったら雛は自ら鳩舎内に入れる構造にします。

 雛には「落ち着いた生活をさせ、居心地の良さを感じさせる」ことです。驚かせることが最もいけないことで、最も安心できる「自分の居場所を確保」させることに主眼を置きます。

P1060685 【今日の稚内モザイク号】

 稚内モザイク号については、今年は2番仔まで雛を取る予定で、1番仔の2羽(写真下)は次世代の種にします。交配雌(2番仔を抱卵中)は「スチール号」の孫で香山鳩舎作です。同時にバルセロナ翔歴を持つ「デヨング89号」の孫です。

P1060683_2 【種となる1番仔】

 前回に記述しましたが、親鳩が雛に与える乳ビの栄養価を増すため、今年はサフラワ、菜種など栄養価の高い餌を混合飼料に混ぜて与えました。また、大腸壁に刺激を与えるためレンガを多めに含む鉱物飼料を与えたところ、比較的手持ちの良い雛になってます。来春はこの2羽から雛が生まれるので、レース鳩の世代交代は早いものです。

 一般論として、選手鳩を作るには比較的若い種の仔が望ましく、それは健康体に生まれる確率が高いからです。レース鳩は高齢化が進むのが早いです。このため、毎年、安定した作出に繋がるよう次世代の1000K用の種づくりを考慮したいものです。

P1060728  ところで、雛は展望台で5日~1週間ほど生活したら、曇りの日の午前中に餌は与えないで鳩舎の外へ出られるように扉や窓を開けます。カラスがいない時が良いです。決して大きな音をさせたり、その他、驚かしてはなりません。

 一回外に出て鳩舎の屋根で少し遊んでから展望台に入ったらその日は成功とします。これを繰り返して鳩舎内で餌を食べさせれば馴致ができます。

P1050205  近年は退職後にレース鳩飼育を始める方が多い半面、今まで活躍された方が体調を壊し飼育を断念せざるを得ない人も増えてます。レースマンはお互い「自らの循環器系や消化器系の健康維持を第一にし、レース成績は第二である。」の鉄則を守り、成績が良かった場合は日々への褒美と考え、レース鳩の趣味をいつまでも生涯の楽しみとして続けたいものです。

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2010年4月23日 (金)

今春生まれたレース鳩の馴致を開始

3607  優秀なレース鳩が早朝に北海道で放されると、津軽海峡を飛び越え、東北地方の山々を越え、その日のうちに群馬県へ帰還することは神秘なことです。

 しかし、遠方から帰還できるには雛のうちに飼い主が教育しなければなりません。それは適切な馴致です。

 卵から孵り30日ほど経過したら雛を親鳩から離し選手鳩鳩舎へ入れ、自ら餌や水を覚えさせ、独立心を養うとともに、レースの舞台となる選手鳩鳩舎の位置を記憶させることがレース鳩となる第一歩です。

 私は2年ほど前、写真のような展望台を作りました。これは国際鳩舎500キロを「天神1号」をもって全国優勝されたアルカディア鳩舎からヒントを得た構造です。鳩が天窓から出入りするものです。天窓が閉まったままの状態で、雛はこの展望台内で1週間ほど過ごします。夜間は鳩舎の中に入れる構造です。

 親離れすると早速、周囲の景色を覚える勉強を始めるので、「三つ子の魂100まで」はレース鳩の馴致にも当てはまります。

022  この展望台の中で日中のみ過ごし成長すると少し飛ぶ力もついてきます。1週間ほど経過したら、そっと天窓を開けます。

 初めて鳩舎外へ出るので驚かせることが最もいけないことです。驚かすと高く飛んで帰れなくなる場合があり、初めて外に出す日は飼い主の慎重さが必要です。

 私の経験では、馴致初日は腹5分目くらいの状態が良く、空腹により鳩舎から離れないと思います。また、その日の気象条件が大切で、強い風が吹いてたり、快晴の日は避けるべきです。何かの音に驚いたりして、もし高く飛び上がると鳩舎位置が分からなくなり、戻れない可能性があります。

 また、カラスが雛を目がけて来たり、それとは比較にできない恐ろしい鷹やハヤブサの飛来が脅威です。そんな天敵が来たら雛はパニックになり一目散にどこかへ飛び去ってしまいます。

 写真のように、初めて外に出す日はどんよりした曇りの日が危険性が少なく、それほど飛びたがらず馴致には最適な条件と考えます。

 2月上旬に飼い主が考えた親鳩と親鳩の交配(見合い結婚)により、卵を産み、雛に孵って、やっと鳩舎に馴らしてる段階で行方不明になっては、折角、今まで育てた努力が水の泡です。

 このようにして数日、鳩舎の外に出て遊ぶようになれば、鳩舎の周囲を飛んだり、上空ヘ舞い上がっても、殆ど帰って来るのでしめたものです。よそへ行かず舞い戻る姿はとても可愛く、飼い主は我が家の子の思いを実感するものです。

  現在、馴致してる雛は3月生まれの一番仔で、今月下旬には2番仔が、5月下旬~6月上旬には3番仔がそれぞれ誕生するので同様の馴致を繰り返すと、7月下旬には今春誕生したすべての雛が一団となって大空を飛翔します。

P1060813 【展望台に続く鳩舎内及び自動入舎装置】

 8月より当舎では午前5時~6時の涼しいうちに舎外運動させ、約80羽が一団となって、天高く群馬県倉賀野町上空を東西南北に行ったり来たり気持ちよさそうに飛翔します。飼い主の私は生まれてこの方、倉賀野町を上空から見たことがありません。それにもかかわらず、生まれて間もない雛たちは上空200mから倉賀野町を見下ろすので羨ましい限りです。私の生まれ故郷は空から一体どのように見えるのでしょうか。

 若鳩から一日一日成長し、夏から秋にかけ栃木県からの訓練に応え、最終目標の北海道から当日帰還できるレース鳩に成長してほしい。

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