大歓声 高商ハリスで 独自性
【拡大してください。迫力最高ステージドリルの一場面。】
11月3日、文化の日に相応しく、群馬県立高崎商業高校吹奏楽部の第58回定期演奏会が高崎市の群馬音楽センターで行われ、かつて昭和時代に11年間の長きに亘り、この部の顧問をしてた私は久しぶりに高商の生徒さんの演奏マナーの素晴らしさを感ずるとともに、顧問教師指導の下、この教育なら彼らは間違いなく生涯を通じて音楽芸術を愛好する人物になれると確信できました。
今年度より赴任された山元唯佳教諭指揮による高商ブラスは、一体どのような吹奏楽サウンドに変貌したか、初めて拝聴する私は期待に胸を躍らせながら入場しましたら、会場入り口にはかつての教え子であるOB会長をはじめ、その同級生たちがたくさん集まっており、すでに50代になった暫くぶりの面々はさながら同窓会の雰囲気になりました。
音楽会の進行は今まで司会のプロであるOGが行ってましたが、今年は生徒さんたちの手作りとなり、声の通りもよく話し方に好感が持てました。すると、まもなく新指揮者の山元先生が颯爽と登場され、早速、一部の名曲リード作曲「ジュビラント」が始まりました。確か40年以上前に私も演奏した記憶が蘇りました。
先生のタクトに集中してる生徒さんの表情は真剣そのものの中にも音楽を味わいつつ、楽しみつつ演奏する姿が会場に伝わり、音楽を通じて、とても緊密な師弟関係が感じ取れました。
私がそうであったように、山元先生にとっても赴任1年目は、何かと前任校と勝手が異なることから、それは新たな定期演奏会方式に戸惑いもあったでしょうが、私の見る限り、堂々とした指揮ぶりの中にも女性としてのきめ細やかさが表現され、その指揮に演奏に温かさが感じられたのは私だけではないでしょう。
ところで、高商ブラスと言えば、ステージドリルの力量は特に近年において目覚ましい成果を収められ、それは群馬県で金賞に輝き、県代表として西関東大会に出場し、銀賞獲得の自信に満ちた機敏な動きと迫力ある演奏は圧巻であり、観客はくぎ付けです。
特にマーチングコンテストで演奏された「アフリカの儀式と歌、宗教的典礼」の演技には、動きの構成がとても個性的であり、全員が一点見つめた集中力が高い水準に感じられ、同時に演奏する曲にも迫力と繊細さのバランスが感じられ、近年の高商ステージドリルの中では、演奏レベルが一段と抜きん出てるように私は感じられました。
最後になりましたが、待ちに待った野球の応援音楽が披露され、私が顧問時代に携わった応援曲とは大分変わりましたが、それはプロ野球選手も時代とともに変遷しているからであり、観客は、若い生徒さんの新たな感性と、どこまでも楽しさを求める心髄に巻き込まれました。
最後に演奏された「ハリスの旋風」では、演奏者と1000人を超す観客も、我を忘れたかのような手拍子と喝采に満ち溢れ、これこそは時代に関係なく、永遠に続く高商独自の演奏であり、これからも後輩たちに引き継がれ、きっと甲子園でも繰り広げられる応援風景でしょう。今回、生徒さんは、この「ハリス」を演奏してるとき高商吹奏楽部員であって本当に良かったと心底感じていたのではないでしょうか。
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