トキの野生復帰には天敵の駆除も不可欠
【最後の日本産トキ「キン」の剥製・・・Wikipediaより】
特別天然記念物トキの卵が自然界で孵化したニュースに多くの方が感激されたことでしょう。将来の野生復帰に向け今回の孵化は大きな一歩と言えます。野生復帰は日本の悲願であり、長年にわたる関係者のご努力に敬意を表します。
トキは江戸時代まで全国至る所に生息していたと伝えられ、明治~大正~昭和と次第に減り、佐渡島で捕獲された5羽のうち生き残っていた「キン」(写真)の死によって、日本産トキは平成15年に絶滅したことになります。
今回、実に36年ぶりに自然界で孵化したことは将来の本格的な野生トキ復帰に大きな望みが生まれ、50年以上にわたり、レース鳩を飼育してる私はトキの自然復帰に非常に関心を持ってます。
ところで、レース鳩の繁殖は「すべて人間の手によって雛が誕生します。」これがなければレース鳩も絶滅するでしょう。レース鳩が日本中で誕生する数は年間・数10万羽と推測され、現在、私の鳩舎内も幼稚園のように賑やかです。
レース鳩とトキは異なっても、トキの繁殖は今後しばらくの期間、人の手助けが不可欠と考えられます。それは雛を狙うカラスや、成鳥に対する猛禽の襲撃が想像以上に激しいからです。
タカ、ハヤブサ類は生きた肉を常食とする誠にどう猛な鳥類=birds of prey です。数の上ではそれにも増して、カラスはいろいろの雛を襲います。当然、トキの雛も狙われます。レース鳩の雛は鳩舎内で育雛されるのでその間は襲撃されることはなくても、自然界を飛翔するようになるとレース鳩の殆どは最終的に猛禽類の餌食になってると考えられます。
トキは佐渡島で人工孵化=artificial incubationされ、多い時には100羽ほど飼育されてるといわれます。しかし、自然界は広大であり、近親による弊害をも考え合わせると、多くを放鳥しないと自然界での繁殖は難しいと思われます。
年間100羽程度を放すことができれば野性化成功の確率はずっと高まるでしょう。中には本州へ渡るトキもあるといわれ、数多くを放鳥しないと自然界に存在するカラスや猛禽類の数に太刀打ちできないと考えらます。
このように自然界では、雛はカラスに襲われ、親鳥は猛禽類に狙われることを考慮すると、残された方法は条例を改正し、佐渡島だけも猛禽類やカラス、テンなど天敵の駆除が不可欠と考えられます。生態系=ecosystemは数のバランスが崩れるとある種が絶滅する掟です。
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