種鳩の管理は11月~2月こそ厳格にしたい
レース鳩の健康管理は、年間を通じて気が抜ける季節はありません。中でも、舎外ができない導入種鳩については、来春の作出を控え、今の時季こそ最も丁寧に面倒を見てやる必要があります。来春、良い雛が生まれるかどうかは、この11月~2月の種鳩管理にかかっていると言えます。
選手鳩と違って舎外のできない種鳩の基本的管理は「十分に日光浴が可能な鳩舎構造であること」、「少なくても週に1回は水浴をさせ」、「常に新鮮な鉱物飼料」を与えます。
肝心要はこの分離期間に体に脂肪がつかぬよう餌の「量と種類」を厳格に貫きます。基本は「量は少なく、栄養素は不足せず」で、「軽くて、敏捷性ある」健康維持です。
【選手鳩鳩舎の水浴場・・・下水に流れる構造は飼育者が腰を痛めない】
種鳩の給餌について、私は混合飼料に大麦をそのまま多めに入れ与えています。しかし、鳩は意外と元気です。おそらく皮のゴツゴツした繊維が消化に不可欠なのでしょう。繊維類は腸に刺激を与えることから、栄養吸収の面でプラスと考えます。
割合は混合飼料と大麦を50%・50%です。昔のファンブリアーナ鳩舎では冬季は大麦だけで飼育してると並河靖氏の著書に記されてます。
概して鳩は大麦が嫌いであっても、空腹であればどんどん食べます。やはり、日々、餌の全体量が少なめであれば、好き嫌いがなくなり、ましてや気温が下がる冬の到来では鳩は寒さとともに食欲旺盛となり、このような時に大麦を食べる習慣を養うことは後々の健康ためにも無駄ではないでしょう。
【モザイク二世号(種)・・・稚内モザイク号直仔♀】・・・拡大してご覧下さい。
前述の餌は種用について考えてますが、同様に、消化を助ける理由から、最近、私は選手鳩にも混合飼料に5%ほど大麦を入れ与えてます。結果的に、舎内での敏捷性はよく、舎外の遠征にも効果があると感じてます。
【選手鳩の餌は少々の大麦と菜種を加える】・・・拡大してください。
大麦の皮は消化吸収を助け、他の栄養素の吸収をも助けると考えられ、大麦は本来的に生物に必要な炭水化物だからでしょう。
今の時季、選手にはご覧の通り、混合飼料に菜種を少量混ぜエネルギーの蓄積を図ってます。
ところで、鳩舎の清掃は「鳩より、飼育者の健康にとって不可欠」なことです。舎内での目に見えない細かい浮遊物を私たちは絶対、肺に入れてはなりません。健康を害します。羽数が多いと清掃が大仕事となり、腰を痛める原因です。経済的負担は言うまでもありません。
レースは確率のスポーツでもあるので、勝利するにはある程度の羽数が必要です。しかし、大好きなレース鳩を「末永く飼育」するには可能な限りスリム化を図り、「羽数を限定する覚悟」が必要と考えます。
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