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2017年3月27日 (月)

室内楽の楽しみ・・・新みかぼフィルの低弦発表会

P1020566 【プログラムのパンフレット】

 フェイスブック友人Оさんの記事で紹介された新みかぼフィルハーモニック楽団員による低弦発表会が開かれ、小雨降る日曜日の午後「室内楽を楽しみ」に会場である藤岡市公民館へ向かいました。今まで藤岡市に縁のない私でしたが、ナビのない車でも無事に到着できました。会場へ入るや否や、美しいチェリストの女性が受付をしてくれました。
 
Photo【The Japan Timesより 】
 
 会場は音楽ホールというより大会議室です。しかし、室内楽が盛んてあった16~17世紀のヨーロッパでは、おそらくこのような雰囲気だったのではないかと想いを巡らし、以前にショパン生誕200年祭の折、英字新聞に掲載された親しい友人に聴かせたショパンの演奏スタイルに、ここは似てると思いました。演奏者と鑑賞する人たちに空間的隔たりがなく、いわば膝を交えて「室内楽を楽しむ」一体感が、今回の低弦発表会にもありました。
 
P1030552【群馬音楽センター前にあるコントラバスの電話ボックス】
 
 今回はコントラバスやチェロなど低音弦楽器を中心とした音楽会と銘打っても、プログラムが示すようにバイオリンはもとより、クラリネット、楽しいホルン四重奏が含まれ、多種多様なアンサンブルで鑑賞者はそのバラエティーな形態に目を見張り、特に圧巻は11台のチェロによるエルガーで、半円形に並んだ壮大な演奏スタイルは新みかぼフィル・チェリストの素敵な仲間たちと捉えました。
 
 ところで、全13プログラムの中でFB友人Oさんは、今回、5回もピアノで出演され、私は彼女がピアノを専門とすることは存じてましたが、初めてピアニストとしての卓越した感性を目の前にし、5回のプログラムどれを聴いても本格的タッチによるピアノテクニックと緩急柔軟な表現は驚愕そのもので、今回、改めて音楽家としての彼女に敬服です。
 
Photo_2
 
  一方、プログラムではメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲、及びベートーベンのピアノ三重奏曲【3番4番】があり、演奏を聴きながら大作曲家はよくぞこの演奏形式を確立させたものと感じます。それはピアノが重奏に加わることで音楽表現に幅が生じ、一段と芸術に深みが増す印象です。
 
 実は、私が初めてピアノトリオを聴いたのは17歳のとき、高崎で行われた「チェコトリオ」です。音楽に疎い私でしたが、奏者一人ひとりが個性的に気持ちを表現しつつ、重厚なハーモニーをなしてる印象が残ってます。遠い国から来日しての演奏に音楽に国境はないことも高校生の私に感じられました。
 
 今回の室内楽もオーケストラ演奏と異なり、奏者一人ひとりが奏でる旋律の動きが手に取るように聴こえ、特にピアノは伴奏でなく、他の楽器と同等の主張がなされ、三者の個性と個性の響き合い、音色のブレンド、時に激しく主張し、時に互いに柔和するハーモニーに裏打ちされた「対位法音楽」を目のあたりにします。
 
 有名なシューベルトの歌曲集「冬の旅」に見られる如く、本格的な楽曲ではピアノが伴奏や従でなく声楽との協演であり、二重奏です。ピアノは和声的役割はもちろん、時には声楽に対比的な旋律を奏でます。
 
 今回、私は数種の旋律を聴き逃すまいと耳を傾けました。果たして人間の聴覚は一度にいくつの旋律を聴きとれるのでしょう。耳を研ぎ澄ませ多くを聴き取れる鑑賞力を身につけたいものです。
 
P1020564
 
 ところで、今回、プログラム13曲すべてを拝聴しましたが、私が印象に残る演奏は新世界を彷彿させるドボルザークの「アメリカ」、そして、マルチェロのソナタです。女性コントラバス奏者とピアノニスト0さんによる二重奏です。コントラバス奏者は1~3楽章まですべて暗譜には驚きました。明けても暮れても、この作品に没頭され、どれ程の回数を練習したのでしょう。どこまでも作品の深遠さを追求する姿勢に脱帽です。彼女はこの演奏の前に、私の近くに座っておられました。
 
 私たちは、演奏とはややもすると「楽譜を間違わずに音に変換する作業」に陥りやすいことがあります。もちろん、楽譜はメモ程度に見ることも演奏の安定性から大切です。彼女の場合、楽譜の世界から離れ、コントラバスの持ち味、音質、音程、ビブラートなど表現を自らの意思通りに奏で、これは演奏家として作品に対する真摯な気持ちの表れです。特に独奏曲の場合、「音質と表現をいかんなく発揮する」には暗譜は演奏の基本であることを彼女から学びます。
 
 今回、暫くぶりに室内楽の極みに浸れ、新みかぼフィルハーモニック楽員の皆さまに心底より感謝申し上げます。 
 

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