移ろい菊に背中押されて・・・上毛新聞「ひろば」
このブログに時々コメントされる通称「時計屋の近く」さんの投稿文が、本日、群馬県の上毛新聞「ひろば」欄に掲載されました。
誠におめでとうございます。群馬県以外の方々にも、このブログを介して紹介いたします。
以下は投稿文です。
庭に咲く白、黄、赤の小菊が、初冬の陽を浴びて柔らかい色合いの変化の妙を楽しませてくれる。白から黄へ色変わりし、赤みを帯びていく。開花した白い花弁が次第に端から紫に色移りしていく菊もある。
霜にあたって紫色になる白菊を、特に「移ろい菊」と呼ぶそうだ。何とひそやかな呼び名だろう。
色かはる秋の菊をば一年に再びにほふ花とこそ見れ(古今和歌集)
平安貴族はその風情を歌に詠み、色変わりする菊を、1年に2度咲くと言ってめでている。盛りの白菊が、高貴な色の紫に変わることに美しさを見いだし、2度の盛りを見せる姿に強い生命力を感じたのだろう。
散歩の折、目にした3本立ての大輪の白菊は、このところの冷え込みで紫にお召し替えを始めていた。「移ろい菊」がこれからも老いの花を咲かせ、美しく晩年を生きよ、と私を奮い立たせてくれているような気がした。
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