この部屋の壁とアーチ形の天井は漆喰で出来ており、出窓はペアガラスが二重であり、つまり4枚ガラスでできてるので、恰も、地下室のように温度は比較的低く、過ごしやすいです。
肝心のピアノの練習は、夢のあった若い時と異なり、難曲に挑戦することはなくなり、比較的ゆっくりで歌のような曲です。つまり2楽章的な曲を弾きます。具体的にはモーツアルトの落第ソナタの2楽章などです。調子が良ければ、それほど難しくない多少速い曲も弾きます。
一方、フェイスブック友人のアメリカ国歌、ニュージーランド国歌、フィリピン国歌、特に最近は平和を願い、ウクライナ国歌をよく弾きます。それぞれ個性的で、内面の深遠さを感じます。
Dear my friends who like piano music and international goodwill
The walls and vaulted ceiling of this room are made of plaster, and the bay windows are double-glazed that means four pieces of glass, so the temperature is relatively low like a basement and it is easy to spend for me during all seasons.
The essential piano practice is a relatively slow like a singing music, unlike I had a dream when I was young. I don't have to challenge difficult music. In other words, I play like a second movement. Specifically, it is the second movement of Mozart's, what we call, failed sonata. If I'm in good shape, I'll play a slightly faster music that isn't too difficult.
On the other hand, I often play the national anthems of my Facebook friends. Such as American national anthem, New Zealand national anthem, Philippine national anthem. Especially recently for the sake of peace, I play the national anthem of Ukraine. Each national anthems are unique and I was greatly impressed with the depth by music of each nations.
※For the Japanese people上の英文をネイティヴの発音で聴くには、英文をドラッグして、コピーし、左サイドの「英文をネイティヴの発音で聴く」に貼り付けてください。なお、右上の欄を必ずUS Englishにしてください。
ピアノ販売の人に訊くと、現在、一般的に発売されてるピアノは軽量化と材質の仕入れ経費を抑えるため、周囲の木の厚さは従来のものより狭くなってるとのことですが、このピアノは一昔前に生産されたことから幅が3センチほどの厚いものです。このためでしょうか。音質に関しては、部屋の漆喰壁や硬いカリンの床ともマッチし、奥深く、落ち着いてると私は感じてます。
最初の就職でインドに滞在してたことから、象などインドの民芸品が飾ってある部屋にピアノが置いてあります。私がピアノを習い始めたのは高校2年の夏で、自らの意志でなく、音楽担当で教育熱心なH先生の強い指導があったことに因ります。
結局、H先生に出会ったことにより、その後、インド日本人学校勤務や滞在中、カルカッタシンフォニーのユダヤ人指揮者バーナード・ヤコブ氏に指揮法を教わる機会に恵まれることになりました。
H先生は長期にわたり県立高崎高校、その後、先生の教え子である私が県立前橋高校勤務となり、師弟でライバル校同士の勤務となって県高校音楽部会で度々お会いするようになり、私はH先生を尊敬しつつ、私なりにライバル校教員として切磋琢磨したものです。
中学時代はバスケットボールに明け暮れた私は県大会まで行き、お陰で身長が伸び、ジャンプ力も伸びました。しかし、当時はピアノのピの字もありません。中学の音楽担当は今ではあり得ませんが、珍しく私の実姉に教わりました。音楽そのものは好きな教科でした。
結局、H先生の手ほどきに始まったピアノは半世紀経た現在でも弾き続けており、教師の一言の奨励が生徒である私の人生の方向を大きく変えるものになりました。誠に有難いことです。しかし、先生は12年前にこの世を去りました。
翻って、私は定時制生徒を含め、約9000人を教えた生徒にどれ程、人生を変えるような進路指導、芸術としての音楽指導、一般の生活指導ができたであろうかと振り返ります。内心、音楽は心から好きであったが、音楽教員として50点前後ではなかったかと自己採点します。
ところで、私は音楽とは、「生活の中で生かすこと」が本来の姿ではないかと思ってます。妻が他界し、現在、一人暮らしであることから実施してませんが、将来はホームコンサートを再開したいです。
中世ヨーロッパ時代は大きなホールでなく、室内楽が主であったことから、音楽本来の喜びは意外と狭いところで人数も少なく、しみじみ聴くものであり、それは作品の形式美、旋律の品格、和声の色合い、快いテンポ感、声楽では「声質」、楽器では「音色」です。
最近の私は、何より聴く人の心を動かすものは「旋律の品格」ではないかと感じてます。これこそ作曲家の崇高な創造です。
作品数が無限にあるピアノです。その中にあって古典派の大作曲家の旋律は300年~200年を経過した現在でも、色褪せない名旋律の数々であり、その優美さは永遠性に満ちてます。
ピアノ練習は努力が必要だか、これからもベートーベンなど大作曲家のソナタを中心に弾いてみたい。
私の趣味の一つであるピアノについての記事が珍しくThe Japan Times Weeklyに載り、ショパンのフランス滞在時代を生誕200年祭に合わせ再現しています。
1810年、ポーランドでフランス人を父にポーランド人を母として生まれたフレデリック・ショパンは20才まで祖国ポーランドで過ごしていましたが、当時のロシアに抑圧され、父の国フランスに移住、その後、18年間はパリの静かな通りに面したとある2階の部屋を定期的に訪れました。そこには友人や有名な芸術家たちも集まって彼のピアノを囲みながら聴き入りました。
この家は現在、博物館になっていても殆ど人に知られずにあり、旅行者も気づかないようです。しかし、今年200年祭を迎え19世紀の偉大な音楽家ショパンが晩年を過ごしたサロンとして、写真のように当時の雰囲気が再現されています。このソファーで著名な芸術家たちがショパンの奏でるピアノを心行くまで堪能したのでしょう。
ここには当時の友人ドラクロワなどの絵が飾られ、ショパンが弾いたピアノや彼の肖像画も展示されていると伝えてます。
金曜日の夜は作曲家仲間であるリスト、ロッシーニー、ベルリオーズなど友人たち、そして彼の恋人で小説家であるジョルジュ・サンドもこのサロンに集まり、身近に音楽を味わう意気揚々とした往時が再現されています。しかし、ショパンは1849年39才に結核で亡くなりました。パリでの展示は7月11日まで催されてるようです。
音楽とは本来このように比較的こじんまりした部屋で友人とともに心行くまで楽しく味わうものなのでしょう。ピアノが趣味である私はショパンの作品にすごく惹かれてます。それはショパンによってこの楽器の持つ味わいが極めて効果的に引き出されるからでしょう。ピアノの詩人と称される所以です。
作品の中には120%の努力により手が届く作品と、遥か彼方に燦然と輝く作品があります。前者は日々の特訓で自分のものにできる可能性があります。しかし、後者は弾けなくても繰り返しの鑑賞により、いくらでも彼の真髄に迫ることができるでしょう。 現在、私は彼の「ノクターン遺作ハ短調」(写真)に挑戦してます。2ページの小曲ですが、特に2ページ目においては左右のリズムが合わせ難い曲です。これは彼独特の作曲技法の一つである右手と左手が数学的に合う方法でなく、右手の旋律が急緩しながら弾き終えるまでに、どうにかしてオクターブを超えた左手の分散和音を弾き終えなければなりません。
要するに練習を始めるころは2人の自分が必要です。ところが人間とは良くできており、頭脳にのみ考える力、覚える力があるのではなさそうです。末端の指先は繰り返しの訓練により、脳とは別に、動きを覚え独自に弾きだすものです。このように左右が極めて独立するショパンの曲が弾けたときは奇跡のように感じます。
それにしても、映画「戦場のピアニスト」で有名になり、既習の「遺作ノクターン嬰ハ短調」とともに、「遺作ノクターンハ短調」はなぜ私たちを虜にするのでしょう。作品に接するたびに「人生は短し芸術は長し」の感です。没後、遺作として日の目を見たのですからショパンが音楽で綴った遺書とも受け取れます。
200年経過しても色褪せない芸術が尚も人々の胸を打ちます。ショパンの作品を日々私なりに味わいたい。
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