私は変わります。
音楽喫茶「蔵人」へは週に2度ほどの割りで行ってます。マスターとママが温かくもてなして下さるためか、一人寂しい生活を送ってる私はつい足が向いてしまいます。家にいたのでは話す機会がないので、紅茶をいただきながらショパンを聴いたりし、つい四方山話をしてしまいます。
本日はどうしたことか、マスターとママは相談したかように「私の外見を変えよう」といろいろ提案してきました。新しいカッキーにしようと、お二人の中にはすでに構想が浮かんでいるかのごとくです。どうしたことでしょう。
それもその筈、マスターの前職は美容師です。人を見ると「どのようしたらこの人はいっそう輝くだろう」と自然に考えが浮かぶといいます。私は今、練習している「遺作ハ短調」を聴きながらいい気分に浸っていましたが、私に耳慣れない言葉がいろいろ発せられ始めました。
まず、スニーカーを履きなさい。ジーパンを穿きなさい。ベルトをしなさい。ジャケットを着なさい。スカーフをしなさい。髪型を変え、最後はネックレスをつけ、大きく変身しなさいとのこと。これではまるで仮装行列ではないかとかなりの抵抗を感じました。でも、もしかして今までにない自分になれるかと気持ちは左右に揺れました。
マスタ曰く「10日に一緒に買い物に付き合いカッキーに似合うものを見つけてやる」とのこと。その後、お手の物である髪型を直して徹底的にイメージチェンジするといわれました。果たして、私の心はついていけるでしょうか。
これを想像しただけで今までにない私が頭に浮かびますが、こんな格好で私の倉賀野町を歩けるだろうか。私は期待より不安のほうが数倍上に感じてしまいました。でも、それをしないと「今のまま、ずっと女性にもてないで、何時になってもいい出会いのチャンスはないよ」とまで言われました。
「今のままでも充分いいと内心思っていた私は」かなりのショックを受けました。
女性というものは「結構、男性の外見を良く観察してるものだよ」とまで言われました。このことは分かってはいたのですが、なかなか私一人では私を変えられないものです。折角お二人が一生懸命説得されるので、ついその気になってしまったのです。さあ、大変。
果たして来週は今までにない私になるのでしょうか。不安でたまりません。でも、資格をお持ちで長いこと美容を職業としてきたプロの仰るようにしてみます。近所の人にカッキーはいよいよどうかしたと笑われないでしょうか。
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